miyaのベネチアレポート
07:悲しい出来事

アルバイト先で働いていた若い男の子が、事故で亡くなりました。
とてもいい子だったので、みんなが悲しんでいます。

その子は、経営者の息子の友達で、学校が夏休みの間、その息子と一緒にアルバイトとして雑用をしていました。
16歳にしては大柄で、体格も良く、力仕事もニコニコしながら快く引き受けてくれていました。

その急な悲しい知らせは、水曜日の朝一番の電話で経営者からかかってきたそうです。
その経営者も混乱していて、うまく話せなかったため、事務所の人も事情が飲み込めず、ただ、16歳のアルバイトの男の子が何か事故に巻き込まれてしまった、彼の両親がバカンスに行ってるため連絡がつかないとのことでした。

その後の電話で、横断歩道を渡っているところを車に轢かれて即死だったという事がわかりました。運転していたのは近くで働く女性ドライバーで、かなりのスピードを出していたらしく、少年とは言えないほどの大きな体が、何十メートルもはねとばされ、なかなか見つからなかったそうです。

仕事場のみんながとても悲しんで、普段は気丈なイタリア人女性たちも泣いて目を赤くしていました。


次の日の地方版の新聞では、一面にその事故の記事が載っていました。
友達の家(経営者の郊外の別荘)に泊まっていて、夕方、ちょっと外へ出たところを車にはねられ、一番仲の良かった友達の目の前で事故が起こり、その友達もひどくショックを受けていて途切れ途切れにしか状況を説明できない。商業高校の二年生で、将来は、水上タクシーの運転手になりたいと語っていたそうだ。
とてもエネルギッシュで、空手が得意でスポーツ万能、みんなから愛されていた16歳の少年であった。

新聞の記事のとおりに、たくましく、にこやかで、短い期間だったのにみんなに愛されていました。記事に添えられていた写真は、得意そうに空手着を着ていたものでした。

仕事場は、いつもと打って変わって、ひっそりとしています。
目が合っても優しく微笑んで、お互いの痛みを分かち合っている風です。

" 16歳だったんだよ。そんなに若いのに、、、"
みんなが、その早過ぎる死を残念がっています。

町には死亡広告が貼られていて、お葬式の日取りと家族からの追悼文が書かれています。
" 突然あなたを失って、お父さん、お母さん、弟、祖父母、親戚みんなが悲しんでいます。"
でも、悲しんでいるのは親族だけでなく、友達も仕事場の人たちも、知り合いみんなで、そんなに誰からも好かれる子だったのに、本当につらくてたまりません。

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