miyaのベネチアレポート
15:映画の撮影現場
今、ベネチアでは、「カサノバ」の映画をディズニーが撮影しています。
4月から準備にかかり始めて、撮影が始まったのは8月から、終了予定は11月中旬です。

アメリカから技術者が来ていますが、中心はローマのチネチッタという映画撮影所から派遣されている人たちとで、あと、地元のベネチアの人たちも働いています。
大道具、小道具、デザイン、衣装係、塗装係、船大工など、いろいろな種類の仕事があるそうで、かく言う私の彼のFも、塗装係として働いています。

最初は、デザイン担当として採用されたのですが、アメリカ人のデザイナーの気が変わったとの事で、塗装係として採用し直すことになり、それもまた人手が足りてるからということで大道具の船大工、ゴンドラ制作の担当になってしまいました。
本職の船大工がいるので、その助手という形でゴンドラを2台制作したそうですが、その後の仕事がなくなり、床掃除をするはめになり、何気に責任者と話をしたら、撮影が市街で始まるので塗装係が新たに必要だからと、塗装係に採用し直されました。なんて混乱した職場なんでしょう!

さて、塗装係の仕事はというと、道具を古く見せるために色を付けたり、市街の撮影現場で邪魔な物(電話線やプラスティックの雨樋)を隠す覆いが周りに溶け込むように色を塗ったりする事だそうです。

実際に仕事をしていた市街地へ行ってみましたが、奥まった街の一角で、一部コンクリートがむき出しになっている壁にレンガ色を塗っていました。セットは、なかなか興味深く、近代に作られた鉄枠の玄関扉を隠すため、木でできた扉をはめていたりするのですが、それが、一見、古そうな扉なのですが、うまく色が塗ってあって金具も錆びているように見せてあります。道ばたにも博物館にあるような古そうな道具が転がしてあったり、4日もかけて準備周到にされています。が、実際映画に使うのは3分もあるかないかのシーンだそうです。

ベネチアで一番重要な場所、サンマルコ広場でも撮影が行われましたが、ここは景観が昔のまま残されているので、塗装係の出る幕がなかったそうです。すべてが昔のままの姿、隠すべきプラスティックも電線も何もなかったそうで、こういうところはさすがヨーロッパ、歴史を大切にしています。

そして先日は、大勢のエキストラを使って大規模な撮影が近所で行われたので、見に行ってきました。
サルーテ教会前の大運河に面した広場に、昔風の市場をたてて、運河にもたくさんの船を並べていました。すべてが一昔前の面持ちで、市場のカゴや木箱が古くさく汚れています。

カサノバ役の俳優もいて、見た事もない人でしたが、それでも周りの人とは違う色っぽい雰囲気を漂わせていました。

そして、撮影が終わってから、私もその広場に入って市場を歩いてみました。
まだエキストラの服のまま、道具を片付けたり、船の帆を直している人がいて、そんな中にいると、まるでタイムスリップしたかのような不思議な気分でした。

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