真空管式 50MHz AM/FM 送受信機ライン一式の製作

- 1970年製作 -

【このページの最終更新日:2011年7月31日】

当局が高校生時代(1970年頃)に自作した50MHzのAM/FM送信機+VFO+受信機(クリコン内蔵型)です。

受験を控えアルバイトもできない高校生で、本格的にHF帯で念願のDXラグチューをするリグを購入するすべもなく、朝から晩まで50MHzでローカル局とのラグチューで悶々とエネルギーくすぶらせていましたが、そんな懐かしい日々を支えてくた、実に安定に動作してくれたラインアップです。

大学入学後にアルバイトで遂に念願のSSBトランシーバー(ヤエスFT-401D)を購入し、米国とのPHONEでのQSOが出来るようになり有頂天になったついでに処分してしまいました。 その後なんと言う惜しい事をしたかとどれだけ後悔したことか! ハンド・ドリルに3mmの刃1本で、2晩も3晩もかけてメーターの穴の形に穴を連ね、ニッパーの刃をボロボロにしながら穴を繰り抜き、家中に鳴り響くやすりがけの音を立てて加工したリードのぶ厚い鉄板ケースAS-2! 手は当然血豆で血まみれになってしまいました。 あんなに苦労して作ったのに、それも本当にノー・トラブルで快調に働いていたのに、実にバカな事をしてしまったものです。

回路図も残ってないし、写真も受信機とVFOについては内部撮影したものが残っておらず、まったく製作記事にはなりませんが、何分「化石的存在」な昔の自作機なので、残っていた写真だけでも掲載する事に致します。




左からVFO、受信機、送信機です。 

VFOは6CB6で8MHz台を発振させていたと記憶しています。  VFOは良く動くのでもっぱらバリキャップでFM変調をかける時に使用し、ラグチューはクリスタルを愛用していました。

送信機は3ステージで、ファイナルは2E24(2E26の直熱管)でしたが途中で6146Bに変更しました。 変調は6BQ5プッシュ・プルでプレート・スクリーン同時変調でした。 マイクはAIWAのクリスタル・マイクで、結構生々しい音質で深い変調がかかっていました。

受信機は高1中2+クリコン内蔵の構成でダブル・スーパーでした。 安定して良く受信できていました。




事もあろうに、これらを丸ごとベッドに持ち込んで、寝ながらラグチューしていた時もありました。 途中で、スタンバイのシーメンス・キーを下げたまま寝てしまい朝になった事が何度もありました(笑)
したがって10時間近い送信耐久テストを何度も実証済のタフな送信機でした。




送信機の内部です。 狭いスペースにうまく配置して収めてあるのには今見ても感心、感心!




これも送信機の内部です。 終段のパンチング・メタルの代わりにアルミ板に穴をたくさん開けていますが、これは全てハンド・ドリルで開けたのですから大したもんです。




送信機のシャーシ下部です。 昔なつかしい大きな抵抗が目を引きます。 汚いけど、ちゃんと問題なく配線してあります。 当時高校生の当局が良く作ったものだと感心します。




当時の工具箱と部品箱です。 昔なつかしい真空管パーツも感慨深いですが、何と言っても、工具箱に胸打たれます。 たったこれだけの情けない工具だけで作ったとは! 特にハンド・ドリルと1本だけの3mmの刃は見ただけで、手の血豆や水ぶくれ等の負傷を連想して身震いがするのは使って苦しんだ人にしかわからないでしょう(笑)




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