真空管式 3.5〜50MHz AM/CW 送受信機ライン一式の製作

- 2010年製作 -

【このページの最終更新日:2010年10月31日】

真空管リグの自作を再開していくつかガラクタを手掛けましたが、構想は膨らむばかりであれもこれも作りたい!・・・としまいには自分が何を作ろうとしているのかわからなくなってしまいました。  つらつら考えて見るに、まずはスタートラインへの懐かしさ、原点への希求心がなによりも強い事に気づき、ここはSSBも今の世の中の技術水準も忘れて、とにかく古き良きアマチュア無線の原点、1960年代のオーソドックスなリグを作ろう!と思い立ちました。

受信機は高1中2にクリコン、送信機はファイナル6146の3ステージのRFセクションと6BQ5PPのプレート・スクリーン同時変調に外付VFO。 そしてダイアルはミツミのMD-5に代表される目盛板付バーニャダイアル、ケースは取っ手付きのリードのAS-1とAS-3、と言うのが瞼(心?)に焼きついたイメージでした。


まずは、頭の中にあるイメージを実際に絵に描いてみることから始めました。



パワーポイントを駆使して、ここまで描いてみました。




更にシャックの棚に並べたイメージも描いてみました。 これが現実となれば圧巻間違いなし?!


描き終わった!と思った次の日には秋葉原に出かけ、リードのベストセラー・ケース、AS-1とAS-3を2台ずつ買って来てしまいました。 このケースはかつて学生時代に自作した50MHzの送受信機ラインに使用したものと同じ! 迷わずこれを選択しました。 50年間も同じケースを製造し続けているなんて、ただただ驚きです。
もう、後には引けません。 前進あるのみです!!

今回はこの4つのリグを同時に製作すると言う「暴挙」に出ました。 しかも、回路設計も固まらないまま、
いきなりパネル面から作り始めました。 
頭の中に既に膨らみ切っているイメージを吐出させ、感情の赴くままに走り出した、と言うところです。

盆休みを返上?して工作室にこもり、ボール盤とドリルとヤスリで固い固い鉄パネルと闘う事約二週間、とにかくまずは夢を形に!!と頑張りました。




じゃ〜〜〜ん!といきなり完成??? (下段の棚)
本当です!中味は無いのに外観だけは確かに完成してしまったのです!!まだ回路図も描けてないのに・・・
こんな自作の仕方をした人は、有史来当局しかいないかもしれません。(笑)

まずは姿ありき、でこのプロジェクトは始まったのです。




こちらが受信機。 運よく入手しておいた、懐かしい50年前のミツミのMD-5の目盛板をPCで描きなおしました。
Sメーターは同じく50年前の300μアンペア計を入手し、ヤエスのFRDX-400のSメーターの目盛盤をスキャナーで取り込んで合成したものと交換して作成しました。
「まずは姿ありき」のプロジェクトですから、一番良く見つめるところは手を抜けませんでした。




こちらが送信機。 IG/RF用のメーターは、目盛盤をPCで描きなおしました。  各メーターには照明を2球ずつ挿入しました。




こちらがVFO。 なんともアンティークなダイアルは、50年前の松下製の低周波発振器のジャンクから取り外したもので、PCで作成した目盛版と交換したものです。 
これにも照明球を2つ入れました。




こちらがクリコン。  ジャンクのトリオのプリ・コンSM-5Dからはずしたコイルパックを活用する関係上、パネルデザインは著しく制約されてしまい、こうなりました。


上のすべての機器は外観が仕上がっただけで、まだ中身はからっぽです。 
スケッチを描き始めてここまで調度1ヶ月です。 本当の製作はこれからです。 





そして2ヵ月後・・・




これが2ヵ月後にすべて完成した時の姿です。 (2010年10月27日) 
思い立ち、スケッチを描き始めてから調度3ヶ月かかった事になります。
製作の過程でパネル面にも若干の変更が加えられました。  一通り調整も終了し、オールバンドで無事働くようになりました。


まずは3.5MHz帯(3.757MHz)で数局とAM-QSO! 10Wにロータリー・ダイポールでも十分に楽しめます!
同好の方がたくさんおられる事を大変ありがたく感激しました。

さて、14MHzでAMでDXができたらいいなぁ、なんて夢見てましたが、そのチャンスは意外に早くやって来ました。
下は10/31、CQ Worldwide Contestの当日の掲示板に書き込んだ当局のメッセージです。


: や、やりましたっ!1st DX on 14MHz 10W AM!!

発信者:JR1MAF 日付:2010/10/31(日)00:35 [168.99.145.122.ap.yournet.ne.jp] 削除


たった今やりました!

折からのコンテスト。絶好の機会とばかり、14.182MHzで59+20dBでCQ CONTESTを出しているW0UAにゼロビートを取ってジャパ〜〜ンとコールしたら・・・・QRZ JR1?

I'm running 10W AM! You're 5925! とやったら、
Oh〜〜〜I'm detecting a carrier! JR1MAF running 10W AM, 10W ahaha...10W AM... ahaha...5903 Okay?? と笑いころげながら応答がありました!!(笑)

その後もCQ CONTEST出しながら笑ってましたから、かなりの大受けだったようです!!

いやぁ楽しいね!楽しいね!楽しいっす!!!
この快感の為に苦労して作って来たと言っても過言ではありません!!





各リグの詳細と具体的な製作過程の様子は、それぞれのページでご紹介してありますのでご覧下さい。




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