自宅シャックのモバイル遠隔操作化プロジェクト

■ STEP 8 ■

【このページの最終更新日:2009年7月5日】

STEP 8.CWの運用

さて、ここまでの所で当初イメージしていたほぼ全ての機能が実現できました。 しかしまだ大切な解決すべき問題がひとつ残っています。 CWの運用です。
SSTVなどのデジタル・モードの運用はともかく、CWは必須のモードです。 特に50MHzのDXとなるとまず欠く事のできないモードです。

ところで最近はログ・ソフト等と連動したCWソフトを使ってCWを運用している方が多い様ですね。 CWでラグチューを楽しんでおられる方はごく一部で、多くの方がラバースタンプQSOでQSO実績そのものを楽しんでおられるようです。 そうなると打電内容は限られて来るので、CWソフトにあらかじめ定型メッセージを登録しておけばボタンをポンポンクリックするだけでQSOが簡単にできてしまいます。 正にPCからのCWソフトによる運用がぴったりと言う訳です。
もちろんラグチューを楽しむにしても、CWソフトにキーボードでメッセージをパラパラとどんどん先打ちしてしまえば、綺麗な符号で間違いなく信号が送出されますから、キーボードが苦手と言う方を除けば、ラグチューにも活躍してくれます。 ラグチューでキーボードを打つと、英単語も省略型でなく普通の文章のように打つ事が多くなると思いますが、その分負担の増える受信も、多くのCWソフト(相手局が使ってればですが)は受信解読機能がついていますから、結構助けになってくれるので問題とはならないようです。

もっとも、本当のCW愛好家の方はあくまでも自分でキーを叩いて符号を出し、耳で解読してラグチューも楽しむと言う事になると思いますが、リモート操作と言う限定された環境でのCW運用なので、このCWソフトを活用する事にしました。

CWソフトにも色々あり、特にCW符号の制御については、直接リグのCWソケットをキーイングする方式と、SSBにサウンドカードで発生させたオーディオ・トーン信号を載せてCW信号とする方式があります。 後者はインターフェースを必要としないので、最初はこちらを種々検討しましたが、良いソフトがなかったのと、信号のトーンが濁りやすい(特にリモート側からSKYPEなどを通して制御した場合)事などから断念して、インターフェースを作製する事にしました。


こちらが回路図です。 超簡単! ためらう程のものではありませんね(笑)


インターフェースと言ってもトランジスタ(2SC1815)1本と、5KΩの抵抗1本でOKですので、えいやっとばかり、D-Sub9ピンのプラグの中に立体配線で組み込んでしまいました。(お陰で作製はほんの数十分で完成です)


こちらが完成したインターフェース・ケーブルです。


CWソフトは種々試しましたが、とりあえずJA3CLM OMが開発された Digital Sound CW(フリーソフト)を使う事にしました。 こちらからダウンロード・サイトに行けます。 スレッショルド・レベルと中心周波数をうまく調整するとCWの解読能力はかなり高いです。 また簡易受信フィルターが装備されていて、CWフィルターのない環境では助かります。 右側のオーディオ周波数スペクトルグラムで設定したリグの基準CWトーン周波数(当局のFT-817は600Hzに設定してあります)を中央に設定しておけば、受信時にピークがグラフ中央に来るように受信周波数を調整することにより、ぴったりと相手の周波数に送信周波数を合わせる事ができるは大変に便利です。 また送信用にマクロ(登録メッセージ)が簡単に利用できるので、実戦的にも大変良く考えらたソフトだと言えます。


これはモバイル側PC(この画像はUltra VNCのウインドウ全体をお見せしたかったので、LAN上の他のPCで取り込みました)で Ultra VNC (STEP.5ご参照)を走らせ、リグを接続したPC画面を呼び出し、Digital Sound CW を実行しています。 この画像は Ultra VN Cの実行ウインドウを切り出したものですので、下部にあるスタートとかのタスクバーは、リグを接続したサーバーPCの画面のものです。 CQを送出したところです。 VNCを経由しているので、動作はやや緩慢になりますが、なんとか実用になっています。 もちろん受信オーディオ信号用にSKYPE、そしてリグ制御用に Ham Radio Deluxe も並行して走らせているのは言うまでもありません。

これでCWもなんとか運用できるようになりました。 最初はマニピレーターを使用しない運用に不安でしたが、もともと当局はキーボードはブラインドタッチで操作できるので、思いの外快適ですっかり気に入っています。 RTTY運用感覚ですね。



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