自宅シャックのモバイル遠隔操作化プロジェクト

■ STEP 3 ■

【このページの最終更新日:2009年5月30日】

STEP 3.自宅LAN上の他のPCから操作をする

さて、ここまでの所は言わば「リグのPC制御」を実現したに過ぎず、目指す遠隔制御への第一歩はここからです。

まずは自宅LAN内の他のPCで制御する事から始めました。 当局の場合Bフレッツでインターネットに接続していますが、外から来た光ファイバーはまず「光端末装置」で信号変換された後、「WebCaster V110」(NTT東日本の標準ルーター)で家庭内LANに接続されています。 自宅のインターネットに接続された機器を外部からコントロールする際に問題となるのが、このルーターです。 ルーターは性悪説に則って、「すべてのインターネットからのアクセスは悪であり、従ってルーターの設定で許容した信号しか通さない」と言うセキユリティ機能を持っています。 Webの閲覧とか、メールのやり取りについてはデフォルトで善とみなされているので、何もしなくても使用することができますが、それ以外の特殊なデータのやり取りはすべてブロックされています。

実はこのブロックを破ることが最初は大変苦労します。 当局はEchoLinkのノード開設でその辺りの苦労は積んでいたので(笑)とりあえずは、そういった制限を受けない自宅LANの中(ルーター内)だけでまずは成功させる事を考えました。


まずリグを接続したシャックのPCで Ham Radio Deluxe を立ち上げます。 この状態ではシャックのPCでリグを制御していますが、別のPCからこのHam Radio Deluxe にアクセスしてリモコン操作する事ができます。 

その場合:
 (1) リグに接続したPC上のHam Radio Deluxe は「サーバー・モード」に切替える
 (2) 別のPC上のHam Radio Deluxe は通常のモード
にします。

そこで、リグを接続したシャックのPCで Ham Radio Deluxe のメニューから TOOL → PROGRAMS → REMOTE SERVERS と選択します。(あるいはRemoteアイコンをクリック)


リモコンの為にこの Ham Radio Deluxe をサーバー・モードで動かすための設定ウインドウが開きます。


Install をクリックすると、定義ファイルが開かれますので、USER情報の行を、自分で決めたIDとパスワードを書き換えます。(デフォルトでは他人の物が例示されているので必ず書き換える)


Start をクリックすると、Ham Radio Deluxe がサーバー・モードで動作開始です。(次にStop ボタンをクリックしない限り、Ham Radio Deluxe を閉じてもバックグラウンドで動き続けます)
あとは Ham Radio Deluxe を閉じます。 サーバー・モードが動いていても、Ham Radio Deluxe が立ち上げっている状態では動作しませんので注意します。


今度は、リモコン操作をしようとする、自宅LAN内の別のPCで Ham Radio Deluxe を立ち上げます。 CONNECTウィンドウで、COMの項目でRemoteを選択します。 SpeedはAuto detectと言う手もありますが、4800(リグの説明書のCATの項目に通信速度の記載があるのでそれを直接入れた方が無難です。)を入れます。


次に開いたRemote Connection 画面のAddress にリグを接続したPCの「ローカルIPアドレス」(下記参照)を入れます。 UsernameとPasswordは先ほど設定したものを入れます。


ここでちょっとブレイク! 「ローカルIPアドレス」とは、自宅のLAN内でルーターが便宜的に取り扱っている内々のIPアドレスです。 コントロールパネルのネットワーク接続のプロパティを出し、TCP/IPのプロパティで確認・設定します。 通常はIPアドレスを自動的に取得するになっていると思います。これはルーターに勝手にIPアドレスを振らせている状態ですので、ここはちょっと勉強して自分で好みのIPアドレスをセットします。 プロバイダーとの契約時の書面に必要なデータは揃って記載されていると思いますが、不明な場合は電話で直接尋ねたらいいと思います。


さて再び Ham Radio Deluxe の画面ですが、CONNECTをクリックすると「まずは接続おめでとう!」のメッセージが


COM Ports 欄にリグを接続したPCのリグのCATケーブルと接続してあるCOMポート番号を入れます。
Optional PTT Configurationは、Enableにチェックを入れ、DATA(パケット)ケーブルのPTT制御ラインを接続してあるCOMポート番号を入れます。


OKをクリックすると、遂にHam Radio Deluxe が接続状態で立ち上がります。 これでリモコン操作が開始です!

万歳!と言いたい所ですが、これでは操作はできてもマイクもスピーカーも取り上げられた状態です。 オーディオラインがありません。(笑)
そこで登場するのがSKYPEです。 インターネットで音声やビデオ、チャットで世界中の人とネット通信できるフリーソフトです。 既にご利用されている方がほとんどだと思います。 まだの方はスカイプのサイト、あるいは操作説明しているサイトはたくさんあるし、ダウンロードできるサイトも沢山ありますので、そちらでまずは環境を整えてください。


まず、リグを接続したPCにSKYPEを新たなアドレス名でインストールします。 この際、SKYPEアドレスはできるだけ人目に触れない事、コンタクトリスト以外からの接続は受けないなどの設定が必要です。 自動応答を忘れずに設定します。
これでOKです。 別のPCからいつもの自分のアドレスのSKYPEを立ち上げ、新たに設定したリグを接続したPCのSKYPEアドレスを呼んで下さい。 すぐに自動接続・応答され、PCから元気良く受信音が聴こえて来るはずです。(SKYPEの送受信音ボリューム、サウンドカードの録再音ボリュームなどは適宜要調整です)

はやる心を抑え、Ham Radio Deluxe のTXボタンをクリックし、PCに接続したヘッドセット(あるいはマイク)に向かって喋ってみます。 見事にリグのパワー計が 振れ電波が出ているはずです。(ダミー接続をお忘れなく) 早速他の受信機を用意して、音質などをチェックしてください。 デジタル処理で遅れて送信されますので両耳ヘッドフォンでモニターすると、ろれつが回らず(人間の脳って不思議なもんですね)大変なことになりますので、片耳だけでモニターします。


さて、この時点で次の事ができるようになりました。

 @ シャック内の別のPCから自宅LANを経由して、PCに接続したヘッドセットを使ってSSBなどの音声モードで送受話ができるようになった。



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