自宅シャックのモバイル遠隔操作化プロジェクト

■ STEP 2 ■

【このページの最終更新日:2009年5月29日】

STEP 2.オーディオ・ラインをPCに接続する

STEP1で、リグの操作がPCで出来るようになりましたが、肝心のオーディオ信号(無線機のマイクへの入力や、スピーカーからの出力)をPC側に接続してやらなければ 遠隔操作の実現の第一歩は踏み出せません。
これにはマイクコネクタやスピーカーから取らずに、FT-817後部のDATAコネクタを利用する事にしました。SSTVやRTTYを使用するのにも便利だし、DATAコネクタへ ミニDIN6ピンのケーブル一本だけで済むのがスマ−トだし、いざ移動運用に出かけるなんて時も簡単。 しかもマイク、内蔵スピーカーはそのままなので、普段在宅時に直接FT-817を使ってQSOする時にも、何の切替も要らないので迷わずオプションのパケット・ケーブル(CT-39A)を購入しました。 



1,890円で買えますが、ケーブルの反対側は裸線むき出し状態になっていますので、加工作業が必要です。

オーディオの入力、出力、PTT(スタンバイ)、グランド(アース)の4本だけが必要な線となります。 付属の説明メモに線の色別表があるので、それを参考にして作業します。 制御用ノートPCのマイクとスピーカーのジャックへ差し込む、ミニプラグを2つ取り付けます。 

やっかいなのはPTTラインです。 制御用PCのシリアル・ポートのDTRまたはRTSラインに接続するのですが、直接接続はできません。 トランジスタ1本で超簡単な回路を組んで、それを介してPTTラインとシリアルポート接続用のD-Sub9ピンのプラグの(DTRもしくはRTS/4ピンもしくは7ピン)に接続します。




VHFテレビ用のインピーダンス変換器のケースを使ってうまくまとめる事ができました。

このPTT回路ですが、STEP1のHam Radio DeluxeでのCATラインの制御でPTT(TX/送信)コントロールはできるので、このデータ通信ケーブルで必ずしも配線しなくても良いかもしれません。 しかし、MMSSTVやMMTTYなどのSSTV通信ソフト、RTTY通信ソフトを使った場合、それらのソフトから直接スタンバイができる様にして置く為には必要です。 もっともHam Radio Deluxe のオプション・ファイルをインストールすれば、MMSSTVやMMTTYからのスタンバイ制御信号をHam Radio Deluxeが直接受け取ってCATラインを通じてPTT制御する事ができるのですが、自宅シャックでオペレートする際に必ずHam Radio Deluxeを立ち上げなければスタンバイができないと言うのも不便です。 そんな訳でこのPTT回路は配線しておいた方が良いと思います。

さて、FT-817の場合、後部のDATAコネクターに接続されたオーディオ信号は、デジタルモード(MODE: DIG)の時のみ内部回路に接続されます。 すなわちSSBやFM、AMなどのモードにおいては、あくまでも本体のマイク・コネクタに接続されたマイクと内蔵スピーカー(もしくは外部スピーカー)がオーディオ入出力の対象となります。 RTTYやSSTVはモードをDIGに切り替える事により、PC上に走らせたアプリケーションで運用できますが、このままだとSSB等のモードにおいてPC側にはなんのオーディオ信号も出力されないし、PC側から送られて来たオーディオ信号で変調をかける事もできません。

FT-817の場合、そこで使用するのが USER-Uモードで、DIG MODEメニュー(#26)で選択します。 これを選択する事によりUSB(LSBの場合はUSER-Lを選択する)でもDATAコネクター経由の信号で運用する事ができるようになります。この辺りは各トランシーバーによって事情が異なると思うので、個別に対処が必要であろうと思われます。

当然の事ですが、SSBにしろRTTY/SSTVにしろ、PCの入出力デバイス(サウンドカード)のレベル調整が必要です。 コントロール・パネルのオーディオのプロパティで、再生(PCから出力されるオーディオレベル・・・この場合送信レベル)と録音(PCに入力するオーディオレベル・・・この場合受信レベル)毎にボリューム・コントロールウインドウが開きますので、適宜調整します。


さて、この時点で次の事ができるようになりました。

 @Ham Radio DeluxeでTXキーでスタンバイ操作をする事によって、PCに接続したヘッドセット(イヤフォンとマイクのセットで、SKYPEなどのインターネット音声通話で使用する物)からSSBなどの音声モードで送受話ができるようになった。

 AMMTTY、MMSSTVなどのデジタル通信アプリケーションを使用して、RTTY、SSTVなどのデジタル通信が自動送受信で操作・利用できるようになった。



ところで上記Aについては、Ham Radio Deluxeを立ち上げると、MMTTY、MMSSTVなどのデジタル通信アプリケーションのシリアルポートへのPTT制御と衝突してしまい、RTTYとSSTVの自動送受信ができなくなってしまいました。 MMTTY、MMSSTVは、単独で立ち上げてHam Radio Deluxeを使わずに直接FT-817を操作するのであれば問題ありません。 この問題は、Ham Radio Deluxeのオプション・ファイル「HRDPTT」を入手してインストールする事で解決しました。 このオプション・ファイルをインストールすると、MMTTY、MMSSTVなどのデジタル通信アプリケーションのPTT制御は、HRDDを経由して Ham Radio Deluxeに受け渡され、あとはHam Radio Deluxeが通常通りPTT制御をしてくれます。 



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