星空タイムラプス映像の世界


【このページの最終更新日:2017年12月27日】

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1.モーション・タイムラプスによる星野写真の世界


ほぼ10年ぶりにこの天文フォーラムに新しいページを開設し、天文の世界での活動を再開する事になりました。
以前は望遠鏡を精密ガイドして冷却CCDで長時間露出を重ねて小宇宙の撮像に没頭しましたが、今回はまるで正反対の?世界からのアプローチです。

2011年から南国フィジーに在住しながら始めたタイムラプス映像の撮影、2014年の帰国後になって撮影時にモーションを加える装置と投入してモーション・タイムラプス映像の撮影に没頭して来ました。
モーション・タイムラプス映像が繰り広げるダイナミックな表現力にすっかり魅了されてしまい、風景を中心に数々の映像を撮影して来ましたが、やはり行き着く所は天文の世界だったようで、星空タイムラプスの世界に突入してしまいました。

タイムラプスは言うまでもなく、数秒のインターバルを置いて数百〜数千枚の静止画像を撮影し、一秒30コマの動画に変換して作成される映像です。
雲や人の動きが早送りで表現されます。 
このタイムラプス映像は三脚に固定したカメラでも撮影できますが、このカメラをアストロ・ドーリーと呼ばれる数mの長さのレールを移動しながら、パン(水平回転)とチルト(垂直回転)のローテーターを動かすことにより、実にダイナミックな感動的なタイムラプス映像を撮影する事ができます。
このモーションをつけながら撮影するタイムラプスをモーション・タイムラプスと呼んでいます。

一枚の静止画像にあらゆる技術を集約し高感度で精緻で発色豊かな星野写真が優れた天体写真である事は言うまでもありません。
これに対しタイムラプスによる星野写真は星空のダイナミックな動きと星空の拡がりと奥行きを表現できる感動を呼び起こせる、まさに「美」のプレゼンテーションの世界です。



2.モーション・タイムラプス撮影に必要な機材



写真はSKYPIX製(取扱:SKYPIX JAPAN)のアストロ・ドーリー、AD6-E1700です。 折畳式の1.7m(折畳時1.0m)レール上を、パンとチルトのローテーターを乗せて走ります。
カメラのホット・シューにはオプションのズーム・モーターを取付けていますので、全部で4軸を制御できます。
オレンジ色のボックスがエンジンで、CPUとリチウム・イオン・バッテリーがビルトインされています。 ジョイスティック・リモコンで全ての設定と操作ができます。 
ノートPCは不要で、これだけ多機能・強力かつコンパクトなタイムラプス用ドーリーは世界的にも他に例がないと思われます。
レール・モーションを長く取りたい時には、1m長のレールを必要なだけ接続して最大6m長で撮影のできるアストロ・ドーリー、AD3-TD3000を使用しています。(後述)




こちらは同じSKYPIXの小型・軽量アストロ・ドーリー、X3pt Pro-TS2000です。 一本67cmのレールを3本連結して約2m長を斜めに設置しての撮影風景です。
一眼レフ程度の重さの撮影機器専用ですが(上のAD6-E1700は40kgの撮影機材を搭載できます)、取扱いが大変楽なので、簡単に済ませたい時とか移動が大変な時に愛用しています。
X3pt Proエンジンは、エンジン筐体中にパンのローテーターとバッテリーを内蔵していて、筐体の上に小型のチルト・ローテーターを搭載した、オール・イン・ワンの小型システムです。




こちらは同じSKYPIXの超小型ポータブル・アストロ・ドーリー、X3pt ProエンジンとH350ドーリーの組合せです。 
三脚一本で設置ができます。 上のレールと下のレールが交互に反対方向にスライドするので、レールの長さの倍カメラをスライドできる優れものです。
登山などしての撮影、海外遠征などに力を発揮してくれる頼もしい奴です。





カメラはノイズの低さと感度で定評のあるCANON EOS 6D。
レンズはコントラストの高さと周辺像の収差の少なさでは他に譲らない、NIKON AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED を変換アタッチメントを介して取付けています。
出目金レンズなので、夜露防止フィルターは自作のヒーター2重巻きにした強力な物を12V給電で使っています。





色々撮影してみましたが、デジタル・カメラでの星野写真は、銀塩写真の様に輝星がにじんで太く写りません。 微光星は小さくノイズと区別が付かないので、後処理でノイズ・リダクションをかけるとかなりの数の星がなくなってしまいます。
やはりソフト・フィルターは必須ですね。 ところが愛用のNIKON AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G EDは巨大な出目金レンズなので、フィルターがありません。
SKYPIX JAPANが世界で唯一販売している自社製のこのレンズ専用の星野写真撮影用フィルターを使うことにしました。 直径が140mmもあります。




この巨大フィルターに合わせて夜露防止フィルターを自作しました。 当然かなり強力でなければなりません。 ニクロム線ヒーターを2本並列接続して作った12V用ヒーターです。




こんな感じになります。 とにかく巨大!! ヒーターは強力でこの直径のフィルターを結露からしっかり守ってくれます。




SKYPIX製(取扱:SKYPIX JAPAN)のアストロ・ドーリー、AD3-TD3000に巨大フィルターとヒーターを装着したカメラを搭載して星空タイムラプスの撮影です。 
このドーリーは最も信頼性のある頑丈かつ強力なシステムで、プロの要求に十二分に応える性能を有しています。(最大積載撮影機材重量は40Kgです)
1本長さ1.0mのレールを、最大3本つないで最長3mのレールにパンとチルトのローテーターを乗せて走ります。 写真は2本で2m長での使用風景です。




八ヶ岳麦草峠で星空タイムラプスを撮影した時の様子です。 タイムラプス撮影はとにかく時間が長い(夜7時過ぎから朝3時半までとか)ので、万全の準備が必要です。
また、機械的に大きく動いて行くのでケーブルの絡みやその他予想しないトラブルが発生しますので、常に監視していなければなりません。 
車で横付けできる場所での撮影時には車内のインバーターからAC100V給電し、カメラ、ドーリー、ヒーターなどはすべてAC電源で動作させています。 (そうしないと徹夜の撮影ではバッテリーの交換で大変な騒ぎになってしまいます)
そのままバッテリーからDC12V(13.8V)を引っ張って、DC給電する方法もありますが、DC12Vでの引き回しはかなり太いケーブルを使っても電圧降下が顕著なので、止むを得ない場合しかその方法は使いません。






3.星空モーション・タイムラプス映像アルバム

 ※ 画像をクリックするとリンク先からストリーミング動画でご覧になれます

【4K】 絶海の孤島「青ヶ島」   【4分8秒】  【8K】 妙義山の星空   【2分2秒】
撮影地 伊豆諸島 青ヶ島 撮影地 群馬県 妙義山
コメント 伊豆諸島最南端の小さな火山島、青ヶ島は人口わずか160人の日本一小さな村です。 周囲は絶壁に囲まれ、かろうじて作られた青ヶ島港を除いて海に下りれる場所はありません。 絶海の孤島の二重カルデラの外輪山の上からは360度にわたり水平線を拝む事ができ、真っ暗な夜空には無数の星々が眩しく輝く別天地です。 コメント 初めての8K作品です。 群馬県下仁田町の妙義山はその奇異な岩山の姿が人々を惹きつけます。 上武山地が目の前に広がり、静かで豊かな星々の輝きを観る事ができます。 星空自体は左の青ヶ島の驚異的な見え方の空とは較べるべくもないのですが、8Kの恩恵は大きいです。
機材 モーション装置: SKYPIX X3pt Pro-TS2000およびAstroLapse-T3
カメラ: CANON EOS 6DおよびEOS 6D (IRフィルター改造)
レンズ: NIKON 20mm F2.8 および14-24mm F2.8G ED (Star filter使用)
機材 モーション装置: SKYPIX AstroLapse-T3
カメラ: NIKON D850
レンズ: NIKON 14-24mm F2.8G ED, SAMYANG 12mm F2.8 (Star filter使用)
   
ペルセウス座流星群   【2分15秒】 【4K】 ミャンマーの絶景(総集編)   【6分24秒】
撮影地 新潟県小千谷市 撮影地 ミャンマー各地
コメント 芸術性を求めたタイムラプス作品と言うよりは、タイムラプスを生かした流星群の観測映像です。 夜9時から朝3時までのちょうど6時間連続撮影したものです。夜半過ぎまでは上限の月明かりに晒されています。 6時間の間に矢印で示した流星の数は118個でしたので、1時間当たり約20個の出現です。 コメント 2017年1月、アジアの秘境ミャンマーを3週間かけて車で2,000Kmを走破しながらタイムラプス映像を撮影しました。 アジアの中でも最後塵を拝する開発途上国ですが、至る所に美しいパゴダ(仏塔)が溢れ、大きな平野を抱えた大地はどこまでも広く、日の出と日没の美しさは類を見ません。 星空は1シーンのみです。
機材 モーション装置: SKYPIX X3pt Pro-TS2000およびAstroLapse-T3
カメラ: CANON EOS 6DおよびEOS 6D (IRフィルター改造)
レンズ: NIKON 20mm F2.8 および14-24mm F2.8G ED (Star filter使用)
機材 モーション装置: SKYPIX X3pt Pro-TS1500およびSkate Dolly
カメラ: CANON EOS 6DおよびEOS 6D (IRフィルター改造)
レンズ: NIKON 14-24mm F2.8 および24-120mm F4 (星空はStar filter使用)
   
【4K】 奥秩父の夏の銀河   【52秒】 【4K】 富士山と南アルプス連峰の夜明け   【37秒】
撮影地 秩父 もみじ湖 撮影地 八ヶ岳山麓 サンメドウズ清里スキー場
コメント 埼玉県秩父市の山奥にある「奥秩父もみじ湖」を見下ろす高台から撮影した夏の銀河です。 空の暗さは抜群で銀河がかなり濃く撮れました。 コメント 清里のSun Meadow清里スキー場上の展望台から遠くに富士山と南アルプス連峰を臨む事ができます。 綺麗な星空と夜明けの山影はとても美しいです。 富士山の左斜面にはご来光を求めて夜間登山をする登山者達の懐中電灯の灯りが連なっています。 大変短い映像ですが、撮影には手間がかかっています。
機材 モーション装置: SKYPIX X3pt Pro-TS2000およびAstroLapse-T3
カメラ: CANON EOS 6DおよびEOS 6D (IRフィルター改造)
レンズ: NIKON 20mm F2.8 および14-24mm F2.8G ED (Star filter使用)
機材 モーション装置: SKYPIX Q3-TD3000 + L-Pan/Tilt
カメラ: CANON EOS 6D
レンズ: NIKON 14-24mm F2.8G ED (Star filter使用)
   
【4K】 妙義山・美しい日没と輝く冬の銀河   【2分2秒】 RICHO Theta Sを使った360度全球タイムラプス映像 −未知の小惑星群− 【1分55秒】
撮影地 群馬県・妙義山(標高720m) 撮影地 富士山麓 田貫湖
コメント 地平線まで澄み渡り、ダイヤモンド・サンセットです。 4番目以降のシーンはAstroLapse-T3にIR改造の6Dを搭載して撮影しました。 オリオンの星雲を初め、銀河のピンク領域が綺麗です。 夏の銀河とはまた趣が異なりますね。 コメント RICHO Theta Sで、全球カメラならではの映像に遊び心で挑戦しました。  撮影と画像処理にあたっては数々の障壁があって、ひとつひとつ解決しながら1ヶ月ちょっとの時間を要しました。 実際の星空は1シーンだけです。 CGでリトル・プラネットを小惑星に見立てて遊んだ作品です。
機材 モーション装置: SKYPIX X3pt Pro-TS2000およびAstroLapse-T3
カメラ: CANON EOS 6DおよびEOS 6D (IRフィルター改造)
レンズ: NIKON 20mm F2.8 および14-24mm F2.8G ED (Star filter使用)
機材 モーション装置: SKYPIX X3pt Pro
カメラ: RICHO Theata S
   
野反湖の湖面に映る銀河と星々   【45秒】 ハイパー・ラプス! 浦山ダムの夕暮れと星空   【1分31秒】
撮影地 群馬県・野反湖(標高1,520m) 撮影地 埼玉県・秩父市
コメント 夜半過ぎに完全な無風状態になると、湖面は鏡になり、銀河と星々をくっきりと映し出します。 本当に息を飲む様な光景です。 コメント タイムラプスの中でもカメラの移動距離が数百m以上にも及ぶ撮影技法をハイパーラプスと呼び、技術的に沢山の難題をクリアしなければなりません。 世界的にも星空まで撮影したハイパーラプスはほとんど例がないのではと思います。ダイナミックな映像です。
機材 モーション装置: SKYPIX X3pt Pro-TS2000
カメラ: CANON EOS 6D (IRフィルター改造)
レンズ: NIKON NIKKOR 14-24mm F2.8G ED + SKYPIX Star Filter
機材  モーション装置: SKYPIX AD3-Hyperlapse Dolly PrototypeU(試作機)
カメラ: SONY α7R
レンズ: NIKON NIKKOR 20mm F2.8 +KENKO Pro1Dフィルター
   
妙義山・24時間 (スター・トラッカー無しバージョン)   【2分41秒】 上武山地に浮かぶ夏の銀河   【52秒】    
撮影地 群馬県・妙義山(標高720m) 撮影地 群馬県・妙義山(標高720m)
コメント 妙義山での昼間から日没、夜通しの星空から夜明けまでを追いかけた映像です。
北天の北極星を中心とする日周運動は10時間以上の撮影です。 
コメント カメラ(CANON 6D)のIRフィルターを天体写真用に交換改造しました。
こんなにも写り方が変るのかと驚嘆してしまいました。 もう手放せません。
機材 モーション装置: SKYPIX X3pt Pro-TS2000
カメラ: CANON EOS 6D
レンズ: NIKON NIKKOR 14-24mm F2.8G ED + SKYPIX Star Filter
       NIKON NIKKOR 24-120mmF3.5-5.6G ED + KENKO PRO1D
機材 モーション装置: SKYPIX X3pt Pro-TS2000
カメラ: CANON EOS 6D (IRフィルター改造)
レンズ: NIKON NIKKOR 14-24mm F2.8G ED + SKYPIX Star Filter
   
天空回廊「スカイ・ブリッジ」の昼夜   【1分33秒】 妙義山・24時間 (スター・トラッカー付バージョン)   【2分51秒】     
撮影地 群馬県・上野村(標高700m) 撮影地 群馬県・妙義山(標高720m)
コメント 日航ジャンボ機が墜落した御巣鷹山近くの山中でとても静かな所です。関東平野の光害からも完全に逃れられ星見にはいい所です。 明け方近くになって月が昇って来ます。 コメント 妙義山での昼間から日没、夜通しの星空から夜明けまでを追いかけた映像です。
北天の北極星を中心とする日周運動は10時間以上の撮影です。 
Star Trackerで逆トラッキングした軌跡映像を挿入しました。
機材 モーション装置: SKYPIX AD3-TD3000 + L Pan/Tilt
カメラ: CANON EOS 6D
レンズ: NIKON NIKKOR 14-24mm F2.8G ED + SKYPIX Star Filter
       NIKON NIKKOR 24-120mmF3.5-5.6G ED
機材 モーション装置: SKYPIX X3pt Pro-TS2000
カメラ: CANON EOS 6D
レンズ: NIKON NIKKOR 14-24mm F2.8G ED + SKYPIX Star Filter
       NIKON NIKKOR 24-120mmF3.5-5.6G ED + KENKO PRO1D
   
峠の一夜   【54秒】 アヤメ平の星空   【26秒】
撮影地 八ヶ岳麦草峠(標高2127m) 撮影地 尾瀬・アヤメ平(標高1962m)
コメント さすが標高2127mです。 半月の月明かりがあっても銀河が立派に写ります。 ガスが吹き抜け続けた峠の一夜です。  コメント 苦労して登った別天地、アヤメ平はここが日本かと思わせるような光景が拡がります。 天気に恵まれたら更に素晴らしい映像が撮れたのにと悔やまれます。 専用星野フィルターを入手したので、思い切ったノイズ処理ができるようになりました。 
機材 モーション装置: SKYPIX AD3-TD3000 + L Pan/Tilt
カメラ: CANON EOS 6D
レンズ: NIKON NIKKOR 14-24mm F2.8G ED
機材 モーション装置: SKYPIX X3pt Pro-H350
カメラ: CANON EOS 6D
レンズ: NIKON NIKKOR 14-24mm F2.8G ED + SKYPIX Star Filter
   
靄の銀河    【36秒】 天頂の銀河(わし座〜カシオペア座)   【14秒】
撮影地  富士山麓の本栖湖畔 撮影地 浅間山鬼押出し(標高1,736m)
コメント 湖面を照らす富士宮の光害、湖周を走る自動車のヘッドライト、行き交う航空機の軌跡などすべてがリズミカルな演出をしてくれました。 コメント 星座フィルター無し、Hα未改造カメラでの撮影で、露出は20秒限定・コンポジット無しのISO頼みですからノイズはどうしても残りますが、動きがいい感じです。 薄明まで時間がなく、これ以上撮影できなかったのが残念。
機材 モーション装置: SKYPIX AD6-E1700
カメラ: CANON EOS 6D
レンズ: NIKON NIKKOR 14-24mm F2.8G ED
機材 モーション装置: SKYPIX X3pt Pro
カメラ: CANON EOS 6D
レンズ: NIKON NIKKOR 14-24mm F2.8G ED





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